国際プラトン学会への参加・研究発表

2022年7月、アメリカジョージア州アセンズのジョージア大学で開催された、国際プラトン学会(the International Plato Society)の大会に参加し、研究発表をしました。国際プラトン学会は大会は3年に1度開催され、それとは別にRegional Meetingsも各地域・大陸で開催されています。大会は特定の対話篇をテーマとし、Regional Meetingsは特定のトピックを扱います(たぶん)。

今回私が参加した第13回大会は、『ソピステス』がテーマでした。私は像製作術の分割を扱った、”Image, Likeness, and Appearance: The Division between the Art of Making Likenesses and the Art of Making Appearances in Plato’s Sophist“という発表をしました。大会のプログラムと要旨はここからダウンロード、閲覧できます。

国際プラトン学会ではofficial languagesとして英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語が定められており(今後ポルトガル語が追加?)、発表もこれらの諸言語で行われます。これは、研究の文化的な多様性を尊重してのことだと思いますが、イタリア語やスペイン語での発表は、結局それらを母国語としている人や顔見知りの同国人ばかりが集まっていて、「国際学会とは?」と少しモヤモヤしました。発表の査読は、要旨提出が2ヶ国語で求められており(800-1200words)、アジア人にとってはそれなりに負担が大きいです。日本語を公用語にしてほしいなどとは全く思わないのですが、日本人は「多様性」の外側にいるのかなあとも感じます。しかしまあ、与えられた環境で戦っていくしかない。今さらとも言える感想ですが、学生やODの時にはただ学会に参加するだけで必死だった一方、教員になると学会を見る視点が変わってきますね。

次回の大会は、2025年にスペイン・マドリッドで開催されます。テーマは『テアイテトス』です。以前には存在したPhDセッションが復活するそうですので、プラトンを専門とする大学院生や博士号を取って間もない方は積極的にチャレンジしてほしいなと思います。

ちなみにその次はペルーのリマです。General Meetingで次の大会がリマと決まったとき、学会誘致の責任者は、「リマはいいとこだよ! アメリカからもヨーロッパからも飛行機でアクセスがいいよ!」とスピーチをしていました。調べたら日本からは片道40時間くらいでした。

それっぽく撮ってもらったヤツ

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